平成29年度 第4回定例会(11月28日~12月14日) 質問日:12月11日

平成29年度第4回定例会において、以下のとおり一般質問を行いました。

一般質問の内容
  1. いじめや不登校の対策について
意見・要望

本市のいじめ問題への対応について、これまで取り組まれてきた施策は一定の効果があったと思いますが、かなりの件数のいじめが未だに認知されている状況を踏まえると、今後は、学校、家庭、地域の関係団体等が、いじめ問題について協議する機会を設けるとともに、日頃から、多くの大人が子どもの悩みや相談を受け止めたり、地域の子どもの状況を把握することができるよう、地域と連携・協働して「いじめ防止対策」を行っていくことが重要であります。また、SNSを使用したいじめへの対策や、SNSを活用した相談体制の整備についても、取組みを進めていくことが必要と考えます。

市教育委員会の果たす役割は重要かつ重大であり、今後、いじめのない環境づくりに努め、子どもが安心して学校へ通えるよう一層の取り組みをお願い致します。

次に、不登校への対応についてです。いじめが不登校要因であるとは一概に言えませんが、実際にフリースクールやライトポートに通っている子ども達の中にはいじめを体験した子どもがいます。

また、そうした施設に通学できず、引きこもりがちな児童生徒に対して、市では学校生活への復帰支援として、家庭訪問相談員を配置して、個別に家庭訪問相談を実施していますが、希望者数に比べて対応できる職員が不足し、相談するために順番待ちをしているとの話も聞いております。

希望者の中には切迫した状況を抱えているご家庭もあるかと思いますので、市当局においては、必要な人材を確保し、希望者の声に速やかに応えられる相談体制を構築するとともに、不登校児童・生徒の実態を十分把握し、子どもの学ぶ権利と機会が確保されるよう、教育的な配慮とともに実質的な支援策を講じられるようお願い致します。

最後に、学校という教育の場でのいじめ防止においては、これまでも「いじめは許されないこと」「他人を思いやる心」として、道徳教育や福祉教育、人権教育など教育的指導が行われてきましたが、どうしても指導の「形」が優先され、「内実」がついていなかった感が拭えません。「危機に陥ったとき、誰にどう助けを求めればいいか」を教えることも大切であり、いじめに際して子どもがSOSを出しやすくする環境づくり、学校づくりが重要なのではないでしょうか。そのためには、教員が先ずはいじめの事実、或いはいじめへとエスカレートしそうな子ども達の日常生活上のトラブルに気づくことが一番重要です。

本市においては、学校が腰を据えて取り組めるような環境作りが求められていることを改めてご認識いただき、また、教員一人ひとりも、いじめを見抜く感性を研鑚すると共に、教員が協同していじめ問題に対して責任を持って対峙できるよう、今後も研修の充実をはじめ、いじめや不登校の問題に取り組まれますようお願いします。 

【千葉市の現状】
  1. 市内小中学校の過去3年間のいじめ認知件数は、年間あたり小学校で約500件、中学校で約300件となっています。いじめに対応する教職員に対しては、管理職特別研修会やスクールカウンセラー連絡会議等において、事例を提示しながら、いじめの定義の捉え方や具体的な対応について指導しているほか、生徒指導主任等を対象とした研修会では、スクールソーシャルワーカーによる講義や、各学校の事例をもとにしたグループ協議において実践的な内容を取り上げるなど、研修の充実を図っております。
  2. 学校でいじめを認知した場合、いじめを受けた児童生徒の安全確保を最優先し、組織的に事実や背景を確認した上で、複数の教職員による見守り、スクールカウンセラーの活用、緊急時のスーパーバイザーの派遣による心のケアの実施など、具体的な対応方針を決定し、安心して学校生活を送ることのできるよう継続した支援を行っております。
    また、いじめたとされる児童生徒からも事実や背景の確認を行い、本人の特性を十分に考慮し、心理的な側面からの働きかけ等を継続的に行っております。その際には、学校と保護者が連携した対応を行うため連絡を密に取り合い、状況や学校の指導方針に対する保護者の理解と協力を求めております。
  3. 不登校児童・生徒への支援策として、各区に「適応指導教室ライトポート」を設置し、学習支援等の場を提供しているほか、民間のフリースクールに通う児童生徒に対しては、教育方針や支援内容等が一定の要件を満たしている場合、学校に出席したものとして認めるとともに、学校とのつながりや信頼関係を保ち安定した学びが継続されるよう、保護者や児童生徒との面談を定期的に行うよう努めております。
  4. 本市では、いじめは決して許されない行為であることを踏まえ、「千葉市いじめ防止基本方針」に基づき、各学校において「学校いじめ防止基本方針」を策定し、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に向けた組織的な対応を図っております。
    今後も地域や家庭・関係機関と連携し、本市の児童生徒一人一人が、安心して学校生活が過ごせるよう、人間尊重の教育を基調とした教育活動を推進して参ります。